■概要

自家消費を売上に計上していない個人商店等が多く見られますが、お店の商品を個人的に使用した場合には、売上を計上しなければなりません。所得税通達の70%基準に従えば、原価率が70%を超えるような薄利多売の商品の場合には原価を計上する必要があり、それ以外の場合には売値の7割を売上に計上しなければなりません。一見、かなり不利な規定に見えますが、仕入は経費としてすでに計上されていますので、仕入価格との差額が利益として計上されることとなるというわけです。社長が使っても、それはお客として買ったということですから、計上洩れの無いようにしてください。

 

■詳細

  • 自家消費とは

個人事業主が事業用の商品や材料を自分で使った場合を、自家消費といいます。例えば飲食店を営む個人事業主が、仕入れたビールを自分で飲んでしまったような場合です。

 

  • 自家消費は収入に計上する必要があります。

原則は通常販売する価格で計上する必要があります。しかし企業でも社内販売等は、安く販売されているのが通常ですから、全てを通常販売する価格で収入に上げるのはおかしいとする社会一般の常識から一定の基準が設けられました。

 

  • しかしこの一定の基準が問題です。

所得税と消費税ではこの一定の基準が大きく違います。所得税では仕入価格以上且つ販売価格の70%以上で収入に計上した場合はこれを認める。と言っております。一方消費税では仕入価格以上且つ販売価格の50%以上で収入に計上した場合はこれを認める。と言っております。所得税の基準で収入に計上すれば、消費税の基準も満たすので、まず問題ありませんが、納税者からすれば有利な消費税の基準を選択したくなります。

 

  • 法律と法律解釈

法律では所得税も消費税も収入に計上しろとしか言っておりません。幾らで計上するかまでは言及しておりません。一定の基準は税務当局の法律解釈の基準でしかありません。例えば売り物にならなくなったので自家消費した等、特別な理由がある場合は、一定の基準と違っていてもかまいません。

 

  • ではどうすればよいの?

税務調査時の安全性を考慮すれば所得税の基準に従う方が妥当です。しかし自家消費が高額な場合などは、税務当局内部でも基準が曖昧であると言う理由で、合理的な算定根拠を示して、独自の基準で収入に上げることも充分可能であると思われます。