事業を行われている方は、各種書類の提出のため、本格的には本年からマイナンバーの取得が必要になっています。社員のマイナンバーを聞いておくことは当然ながらなさっていると思いますが、それ以外の場合であってもマイナンバーの取得が必要となるときがあります。そこで、本コラムでは年末調整を行う社員以外の方からもマイナンバーを取得しておかなければならない代表的なケースについて解説していきます。

 

1)社員の扶養親族のマイナンバー

事業者の方は、年末調整を行うまでに、社員の扶養親族のマインナンバーも取得しておく必要があります。この場合に、扶養親族の本人確認は配偶者のマイナンバーも含めて家族である社員の方が行えば良いですが、会社が厚生年金に加入されている場合の社員の配偶者(第3号被保険者)のマインナンバーは原則的には会社が本人確認を行ってマイナンバーを取得する必要があります。ただし、配偶者が会社に来社するのは無理があるため、実務上は社員が委任状を添えて配偶者のマイナンバーを会社に提出するという形になります。

 

まとめると次のようになります。

マイナンバー

マイナンバー

・社員の配偶者のマイナンバー

厚生年金加入 →社員が確認し会社に伝えるが委任状が必要

厚生年金未加入→社員が確認し会社に伝える。

・社員の扶養親族(配偶者を除く)のマイナンバー

→社員が確認し会社に伝える。

 

2)土地や事務所を貸してくれている大家さんのマイナンバー

事業者の方が事務所の地代等を支払われている場合「不動産の使用料等の支払調書」を作成する必要があります。この場合には大家さんのマイナンバーが必要になります。なお、直接聞いて教えてもらいずらい場合には不動産屋さんを通じて聞くのが良いと思われます。不動産屋を通じてマイナンバーを聞く場合の手続き等については書類等を用意していますので別途お尋ねください。

 

ただし、法人への賃料の支払い、個人への賃料で年間の支払い総額が15万円以下の場合には、「不動産の使用料等の支払調書」の提出の必要がありませんので、個人番号を聞いてはいけません。

 

※このほかにも「不動産等の譲受けの対価の支払調書」、「不動産等の売買又は貸付のあっせん手数料の支払調書」を作成する場合にも相手のマイナンバーが必要になります。

 

3)税理士等に報酬を支払う場合

税理士や弁護士等またはホステス等に報酬を支払う場合には、「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出が必要になりますので、マイナンバーを取得する必要があります。ただし、税理士等の報酬が年間5万円以下の場合、ホステス等の報酬が一定金額以下の場合には「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出の必要がありませんので、個人番号を聞いてはいけません。また、弁護士、社労士、司法書士などのマイナンバーは聞いておく必要がありますが、業務を依頼している税理士のマイナンバーについては、会社側が直接「支払調書」を提出する場合を除いて聞いておく必要はありません。

なお、間違えやすいので書いておきますが、本人に渡す「支払調書」にはマイナンバーを記載してはいけません。これは源泉徴収票についても同じです。

 

4)年末調整を行わない社員

年末調整を行わない期中退職者についてもマイナンバーが必要になります。ただし、その会社での年間の給料が30万円以下の退職された社員については、市区町村に対して源泉徴収票の提出義務がありませんので、マイナンバーの取得をしてはいけません。(必要ない場合にはマイナンバーは取得してはいけません)。ただし、年間の給料が30万円以下の退職社員で提出義務がなくても、市区町村に提出している場合や雇用時に聞いた場合にはマイナンバーを聞いて構いません。なお、後者の場合には使わなかったマイナンバーはすぐに廃棄する必要があります。面倒ですが仕方がありません。

もちろん、事業者の方は、社員の方が乙欄であってもマイナンバーを取得する必要があります。

 

ちなみに、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」等へのマイナンバーの記載は、一度でも会社にマイナンバーを伝えている場合には(通常は入社時に伝えているはずです)、扶養控除等申告書の欄外にそれぞれの社員が「給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」旨の記載」をしていれば省略できることとなりました。念のために押印もしてもらった方が良いでしょう。

 

P.S.マイナンバーを記載する書類は、廃棄記録を作成する義務があるので廃棄手続きが面倒ですのでなるべく作らないほうが良いといえます。

 

マイナンバーの取り扱いは、非常に面倒で大変な手続きですが、法令で定められていますので、しっかりと事業者の方が対応していく必要があります。特に、導入から数年は混乱するかと思いますが、少しづつでも法令に準拠した取り扱いをできるようにしていただけたらと思います。(最初はいい加減で良いという意味ではありませんので勘違いなさらないように。)

 

投稿日:2016/9/21