●概要

税務の手続きを総合的に規定している国税通則法が改正になります。

審査請求が直接できるようになること、税理士法30条の書面を添付している場合には、調査時の税理士への事前通知が必要とされること。審判官の職権資料等の閲覧等ができることが主な改正です。

また、法令解釈と異なる取扱を行う場合の従来も、国税庁長官がその問題を非常勤の学識経験者からなる国税審査会に諮問することとなっていましたが、改正後は、国税審査会が直接議決を行うことになるわけです。これにより、より客観的、総合的な税務判断がされ、通達と異なる判断も期待できるようになると思われます。

●詳細

平成23年度12月の税制改正で、税務調査手続きの明確化等の改正が行われましたが、今回の大綱においても行政不服審査制度の見直し、また、税理士法の見直しを受けて、幾つかの整備のための改正が行われています。以下、主な項目を概観して行きます。
 なお、行政不服審査法は、昭和37年の制定以来、実質的な法改正がなく、今回、①公正性の向上、②使いやすさの向上、③国民の救済手段の充実・拡大の観点から見直し、次期通常国会への法案提出、関係機関の準備と国民への周知後、2年以内の施行を目指すとしています。

●国税の不服申立て手続き等の見直し

(1)現行では、異議申立て、審査請求の2段階の不服申立て前置ですが、改正では直接審査請求できることとしました。なお、現行の審査請求に前置する異議申立ては「再調査の請求」に改めるとしています。
(2)現行では、処分に対する異議申立ての期間は2月以内ですが、これを(再調査の請求、直接審査請求)3月以内に延長することとしています。
(3)現行では、担当審判官の職権収集資料等の物件の閲覧及び謄写はできませんが、改正ではできることになります。
(4)審査請求人の処分庁に対する質問、審理といった手続きの計画的遂行のための手続規定の整備を行うとしています。
(5)国税通則法99条の見直し
 現行では、国税不服審判所長が法令解釈等と異なる裁決をするときは、最終的には国税庁長官の指示により裁決を行うことになっていますが、改正では、国税審査会の議決に基づいて裁決しなければならないことになっています。
上記改正は、(5)を除き、改正行政不服審査法の施行日から適用となっています。

●調査の事前通知の規定の整備

 前回の改正でも通知すべき納税義務者に当該納税義務者の税務代理人を含むとされていましたが、今回の改正では、税理士法第30条の規定による書面を提出している税理士があるときは、当該税理士に対しても調査の事前通知をしなければならない、また、地方税にあっては、納税者本人の同意があれば納税者本人への通知に代えて、税理士への通知ができるとされています。
この改正は、平成26年7月1日以後に行う事前通知について適用されます。