■概要

今回は、印紙税の課税地域について解説しています。海外で印紙税の課税される文書を作成した場合、印紙税はかかってくるのでしょうか。この点について解説していきます。

なお、詳細解説の後半で出てくる「代表なければ課税なし」とは、アメリカがイギリスの植民地だった際に、税を課せられていながら自ら選出した代議士をロンドンにある英国議会へ送ることが許されていなっかった際に、出てきた言葉です。租税法案を議決する代表者を決定できないなら課税される筋合いはないということですね。

 

■詳細

  • 印紙税の属地主義

印紙税法は日本の国内法ですから、その適用地域は日本国内に限られます。

したがって、課税文書の作成が国外で行われる場合には、たとえその文書に基づく権利の行使が国内で行われるとしても、また、その文書の保存が国内で行われるとしても、印紙税は課税されません。

 

  • 国外とは、国境とは

地図の上での国境はすぐわかります。しかし、越境は正規のルートから出入りしない限り、密入出国となってしまいます。その正規のルートとは、通常は税関を指します。従って税関を通過すると出国したことになり、そこはすでに国外です。外国船クルーザーが定期船のように近海外洋カジュアル・クルーズの企画をしていますので

それに乗ればすでに外国です。

 

  • 課税文書の完成時点

アメリカの会社と不動産の売買契約を締結することになった場合、その契約書をまず当社において2通作成し、それに代表者の署名押印をして相手方に郵送し、相手会社がこれに署名し、そのうちの1通を当社あてに返送してくるような時、契約書完成時の場所はアメリカですから、印紙税が課税されることはありません。

逆の場合には、アメリカで保存するものにも印紙税がかかります。

 

  • アメリカに印紙税はない

1765年、イギリスは莫大な財政赤字を抱えていたために、印紙税というアメリカ向けの特別税を作りました。しかし、アメリカ人の反対にあい、結局頓挫しました。でも、その後イギリスはさらに一連の新税導入をしてきたので、アメリカ人の激しい反発を呼び、「代表なければ課税なし」の言葉とともに、各植民地の「不輸入協定」つまり事実上のイギリス商品ボイコット運動を呼び起こし、アメリカ独立戦争の引き金になって行きました。そんな歴史があってか、アメリカには印紙税はありません。

 

※このコラムは投稿時の税制等に基づいて作成しております。記載内容には十分な注意をしておりますが、最終的な判断は各専門家への相談をしてください。弊社への相談なしにとられた行動につきましては一切の責任を負いませんのでご了承ください。