平成28年の1月1日以後に受け取る給与等について、日本に住まれている方の年末調整等において、外国に住んでいる方の扶養控除等を受ける場合にその扶養親族が本当に存在し、本当に親族であるか、生活を扶助するためにその年に送金をしているかの証明が必要になりました。(外国に住まれている扶養親族の所得の証明は必要ありません)

想定されるケースとは
①日本人の方のお子さんが海外に留学等で住まれている場合。
②日本で働かれている外国人の奥さんやお子さんが祖国に居る場合
などがあります。

国外居住者の扶養控除を受ける場合、今までは、性善説で何も証明は必要ありませんでしたが、不正等が多く、税務署も海外との連携等が完全ではないため、このような整備を行ったと考えられます。

■適用を受けるための要件
まず、海外に住まれている親族の扶養控除等を受けるためには、その親族が①6親等内の親族等に該当すること、②その年に海外送金等をしている事実と③扶養されている方の所得が多くないという3つの要件があります。

海外所得の要件については法令の規定はありませんが、日本円に換算して年間103万円以内であれば扶養控除の対象にして良いと考えています。

上記の基本的な要件に加えて、海外に住まれている方の扶養控除等を受けるためには次の3つの書類を揃える必要があります。

1)親族関係書類
次のいずれかの書類です。
ただし、戸籍の附票に扶養親族の名前が掲載されていない場合には、②となります。

①パスポートのコピーと戸籍の附票の写し

②外国政府の発行した出生証明書、婚姻証明書、戸籍謄本など扶養になる方の情報(氏名、生年月日、住所等)と給与等の支払いを受ける本人と親族関係にあることを示す公的な書類の原本

2)送金関係書類
銀行の送金証明書か通帳のコピーもしくは家族カードの利用明細書
ここで注意していただきたいのは、海外にいる妻に子供の学費等を送金した場合には、子供は扶養控除の対象となならないことです。(妻はなります)
奥さんとお子さん(お子さんが複数ある場合にはそれぞれ)別々に送金する必要があります。

家族カードは、海外にいる家族が使用したカードの料金を扶養者が支払うカードです。

なお、送金額に決まりはありませんが、現地の物価基準で生活費として相当の金額を送金する必要はあると考えています。また、その年に送金した金額の総額を扶養親族ごとに集計して扶養控除等申告書に記載する必要がありますので、誰にいくら送金したのかわかる書類を全てそろえておく必要があります。

3)上記2つの書類の日本語訳

以上の3つの書類が必要となります。

■最後に
この改正が入ったために、外国に扶養親族がいらっしゃる方がそろえるべき書類が増加しました。特に、外国人の方は言葉も通じにくいですし、書類をそろえることを嫌煙することが多く現場の混乱が予想されます。特に、親族すべてに別々に送金する、妻の母を扶養控除の対象とする場合に妻の母と本人の関係が一望できる証明書が無いときは、婚姻証明書と出生証明書の2つを用意しなければいけないという点について現場の混乱が予想されます。こういう改正をする気持ちはわかりますが、外国人の方に説明する大変さをわかってほしいですね。

詳しくは、こちらのページをご覧ください。
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/kokugai/index.htm

外国人の方に対する英文の説明書もあります(専門用語がわかるか不安ですが)
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/fuyo_en.pdf